別所沼公園(さいたま市南区)

最終更新日 2020.10.28 撮影日 2020.10.26

巨木の立ち並ぶ公園

巨木が立ち並ぶ別所沼公園 入り口。茶色はジョギングのためのトリムコースです。

浦和駅西口の繁華街を抜け、埼玉県警本部や埼玉県庁、裁判所合同庁舎、さいたま市役所などが立ち並ぶ、埼玉県の心臓部を超えて数分歩くと、目前に緑豊かなこの公園が開けます。浦和駅から約1.5km……。

しかし、実際は下のGoogleMapで一目瞭然のように、埼京線の「中浦和駅」から徒歩3分くらいです。埼京線の高架駅は風情がありませんが、東口の階段を下りて右に行くと背の高い緑が見えます。そこが公園です。

100万年という歴史を持つ別所沼を中心にして、昭和26年9月に開設された広さ7.9haの園内には、中国原産のメタセコイアなどの巨木が立ち並んでいて、ちょっと日本離れした雰囲気を漂わせています。北欧みたい??

しかも、とても大都市の真っ只中とは思えない静けさです。公園の約半分を占める別所沼の周囲には足に優しい舗装素材で一周1,000mの「トリムコース」が作られています。ジョギングや散歩を楽しむ人でいつも一杯ですね。

年代別に分かれたみんなの広場

別所沼公園 児童広場の遊具
児童広場で一番大きな遊具。2012年ころ遊具が一新されて「みんなの広場」になりました。詳しくは「別所沼公園 みんなの広場

残念ながら駐車場が狭いので(駐車枠は25台くらい。違法な路駐が後を絶ちませんが、それらを加味しても40台は無理そう)、遠くから訪問することは難しいですが、都市のど真ん中でお隣の「北浦和公園」には駐車場が無いことを考えれば恵まれているのかもしれません。

なぜか、「別所沼 駐車場」で検索されてお出でになる方が多いので、「公園の写真」に駐車場の写真を2枚掲載しておきました。参考になさってください。

主な施設としては、宿泊・食事ができる「別所沼会館」(11月頃に牛肉ステーキ食べ放題フェアやってますね)、年代別に別れた遊具が並ぶ「みんなの広場」(「児童広場」が一新されました)、ちょっとだけ小高い「芝山」を中心にした「多目的広場」、水遊びができる「流れ」、大きくてきれいな「四阿」、残念ながら芝生ではない二つの「多目的広場」、沼に突き出た「弁天島」、「花壇」、「噴水」「水鳥園」「屋根付き広場」「デッキ」などがあります。

ですが、小さなお子さんを連れた方は「みんなの広場」直行ですね。

以前あった背の高いロケット型や飛行機の形をした遊具みたいなインパクトはありませんが、年代別に分けて現代風な手堅い印象です。エリアは、幼児エリア(3歳〜6歳)、幼児・児童エリア(3歳〜12歳)、児童エリア(6歳〜12歳)、健康エリア(誰でも)とい分けられています。

「健康エリア」は年配者向け?の健康遊具が並んでいます。若い頃は「無駄」と思ったのですが、自分がそんな年代になってみるとそんな気持ちも薄れてきました。実際ウィークディ昼間の公園は年寄りだらけですし。

「みんなの広場」にも広場がありますが、とても残念なことに芝生ではありません。別所沼公園には駐車場の近くに広場がふたつと「みんなの広場」にも開けたスペースがありますが、どこもむき出しの土です。

歴史のある公園はたいていそうなのですが、昔の人たちは、公園に芝生を敷くという発想がなかったのでしょう。残念ですね。

モニュメントがたくさん

別所沼公園 浦和のうなこちゃん
2020年10月撮影の浦和うなこちゃん。文句なしにかわいいですが、設置から11年経って劣化が激しいですね。

ぼくが一番目を惹かれたのが、「メキシコ広場」と「風の神」でした。別所沼公園の一番奥、「別所沼会館」の左手前にあります。これは、埼玉県の姉妹州であるメキシコ州から友好の証しとして贈られたものだそうです。

遠目から見るとカッパに見えて、なんだかとっても不気味だったのですが、不謹慎でしょうか。

また、2004年には詩人の立原道造が設計するも、実現に至らなかった「ヒアシンスハウス(風信子荘)」が完成しています。

「ヒアシンスハウス(風信子荘)」は5坪ほどの小さな家で、立原道造が設計した通りに建てられています。ぼくが見に行ったときは、おばさま方が中でお茶していました。

更に、2009年5月には、弁天島の入り口横に、漫画家のやなせたかしさんが創作した、さいたま市の観光大使「浦和うなこちゃん」の像が完成しています。こちらは文句なしにかわいいですね。

「浦和うなこちゃん」の画像を2020年撮影のに差し替えました。経年劣化が激しいですね。

別所沼公園 園内地図

別所沼公園 園内案内図
別所沼公園 園内地図。この案内図だとまだ「児童広場」ですね。

深い歴史を感じさせる公園

別所沼公園 別所沼と噴水
別所沼と奥に見える噴水。更に奥にもうひとつ噴水があります。この感じ、北欧みたいな雰囲気という人もいます。

別所沼は、釣りがOKなので釣り糸を垂れる方がたくさんいます。メタセコイアの巨木が作り出す日陰で、のんびりと日がな一日釣り糸を垂れる−−−いいですね。

以前は、ボートに乗ることができたのですが、、残念ながら廃止されてしまいました。大宮公園と同時期かもしれません。楽しみ方の変化を微妙に読んだのか、それとも危険回避のためなのか。ボートに乗れる公園は減る一方ですね。

別所沼公園は、お弁当持参で遠くからわざわざ訪れるほどの公園ではないかもしれませんが、埼玉在住の公園マニアとしては、お隣の「北浦和公園」と共に絶対に押さえておかなくてはならない、深い歴史を感じさせる公園でありました。

旧浦和市には、こんな立派な公園がたくさんあって、埼玉県東端の弱小都市在住者としては羨ましい限りです。

別所沼公園 別所沼会館 ヘリテイジ浦和
別所沼会館(ヘリテイジ浦和)入口。遊具の「みんなの広場」の近くです。

1956年以来、県営公園として運営されてきましたが、2003年にさいたま市の政令指定都市を記念して管理がさいたま市に移管されました。2020年現在も、さいたま市営公園となっています。

別所沼会館は別名「ヘリテイジ浦和」。公園内に設置された保養施設兼ホテルです。

客室10室に浴場、大宴会場、中宴会場、大会議室、食堂等を備えた地上3階建て。ヘリテイジグループ入りして、サービスに幅がでてきました。

誰でも一泊6000円くらいで宿泊できるのは変わりませんが、館内のレストランでは毎年11月ころに1名4000円ちょっとくらいで「牛ステーキ食べ放題」フェアをやったりしています。

もちろん、普段も手頃な価格で美味しい料理を提供しています。

今回(2020年10月)の取材でランチしようと思ったのですが、月曜日だったため定休でいただけませんでした。残念。

こんな記事も読まれています