北本自然観察公園(北本市)
- 北本自然観察公園
- 埼玉県自然学習センター
- エドヒガンザクラ
- 城ヶ谷堤の桜(2009)
- 城ヶ谷堤の桜(2015)
北本自然観察公園は動物の宝庫
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北本自然観察公園から北本市子供公園方面へ向う園路。下の案内図の標柱6付近。 |
県営「北本自然観察公園」は、JR北本駅から約3kmに位置し、荒川河川敷に隣接する谷地形を活かした大自然公園です。
園内にある自然学習施設「埼玉県自然学習センター」と共に開設されたのが、平成4年(1992年)7月のことでした。下に載せた園内MAPををじっくりと見ていただくとおわかり頂けると思いますが、総敷地面積25.2haのほぼ全部が雑木林や湿地帯や草原で、普通の公園にある芝生広場や遊具などは一切ありません。
元々多くの自然が残っている地域に隣接する荒川ビオトープと合わせて「北本自然観察公園」が造られ保全されています。開園から20数年が経ち、守られた生態系の中でいろいろな動植物が繁殖して公園に根付いています。
こちらの公園では、「コジュケイ」「モズ」「ウグイス」「カワセミ」「オオヨシキリ」「ムクドリ」「フクロウ」「オオルリ」「キビタキ」など、約170種の鳥たちが確認できているそうです。かなり珍しい鳥もいるみたいですね。初夏のころにはホトトギスの声が響いて最高に気持ちが良い。残念なことになかなか見ることは適いませんが。
また「タヌキ」「イタチ」「ハクビシン」などの野生動物に遭遇することもあるかも知れません。特に「イタチ」は可能性が高そうです。公式サイトの日記を読むと、交通事故に遭って亡くなってしまったイタチもいるようです。運良く動物に出遭ってもエサなど、絶対に与えないでくださいね。エサを与えられると自分でエサを見つけなくなってしまいますから。
北本自然観察公園 案内図
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公園の案内図。ちょっと変わった形をしていますね。中央部分が谷になっていて、その両サイドが小高い丘になっています。 谷の部分は池や湿地帯になっていて、葦が茂っています。 四角い赤に白抜きの数字が見えますが、これが目印の標柱。位置を確認するために必要です。 |
キツネが自然繁殖
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高尾の池。標柱4を過ぎたあたりから標柱13のあたりを望んでいます。初冬なのに緑が濃いですね。 |
それと、「キツネ」。「キツネ」は、2001年に繁殖が確認されました。公園の究極の目標が、「キツネ」が繁殖できる環境を保全することだそうなので、関係者の方々にとっては、たいへんな慶事だったことでしょうね。「キツネ」を見かけたら是非報告してほしいとのことです。昔からこの地域には、キツネが繁殖していたそうですが、絶えて久しかったとのこと。誰かが放したわけでもないでしょうし、自然発生するわけがありませんから、目撃情報が絶えて久しかったということでしょうか。
毎年、7月中旬くらいから8月中旬くらいまで見られる、天然のホタルも特別な意味がありそうです。最もたくさん見られるのが7月下旬から8月上旬。ホタルは、水がきれいでないと繁殖できません。それと、先日、東武動物公園の「ほたリウム」で聞いた話ですが、1000匹の幼虫ホタルで成虫になれるのは3匹程度なのだそうです。天然のホタルが見られるのは、とてもすごいことなのです。
7月末から8月上旬に、夜の自然観察会が行われているので、参加すればホタルを見ることができます。事前に申し込みが必要です。しかし、公園内は夜でも開放されているので、自分たちだけでホタルを見に行くことも可能です。そのときは、自然観察センターが19:30まで開館しているので、危険動物等の情報収集をして、必ずグループで行動して欲しいそうです。
「植物園」も同じ意味で書き入れました。どのくらいの植物があるのかわかりませんが、鬱蒼とした森の中にはありとあらゆる植物が生い茂っています。
地図と標柱を目印に公園を歩こう
![]() 標柱13のあたり。埼玉県自然学習センターから散策をはじめるといきなりこんな風景です。。 |
駐車場脇の信号を渡ると、薄赤いレンガ色の「ふれあい橋」です。橋を渡ると左手に「埼玉県自然学習センター」が見えてきます。橋を渡ってすぐ右手に案内看板があり、右手奥に歩道が続いています。しかも、「ふれあい橋」から右手(上流)を見ると、気持ち良さそうな木道が見えるので、思わず行ってみたくなります。しかし、ここはできれば我慢した方がよろしいでしょう。
上の方にも書きましたが、地図には、四角く囲まれた1から20までの数字が入っています。数字は下の写真のように歩道脇に立っていて、道行く人々をナビゲートしてくれます。もちろん、どこにでも立っているわけではなくて、歩道の分岐点や休憩所などのスポットごとに立てられています。
「埼玉県自然学習センター」内に、A4版の白い地図が用意されています。そちらの方が、パンフレットよりも使い易いかもしれません。わが家はひとりに一枚、その白い地図を持って、散歩・散策 に向かいました。標柱1番から順番に廻るのが良いかもしれませんが、生来の天邪鬼なので、逆から廻り始めちゃった。
桜の名所 城ヶ谷堤
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2015年の桜。桜堤を下から望む。土手になっていて右上が道路です。土手の両側が桜並木。 |
しばらく歩くと、北本市民の間で「桜堤」や「桜土手」の名で親しまれている城ヶ谷堤(じょうがやづつみ)にあたります。
こちらは、かなり高い堤防です。自然観察公園の谷部分の池・湿地帯から流れ出た水がここから荒川方面に注いでいます。
堤防は谷部分だけにかかっているので、距離はそんなに長くありません。両サイドは小高い丘なので。荒川から谷に逆流する水の氾濫を食い止めているのでしょうね。
「桜土手」というくらいですから、こちらはお花見の名所です。現在、約60本の桜(ソメイヨシノ)があり、毎年4月上旬には花のトンネルができあがります。土手に桜を植えるのは、桜が根を張って土手を強くするからなのでしょうね。
以前の記事では「60本と侮ってはいけません。1本1本の枝ぶりが尋常じゃないのです。しかも短い区間に、ぎっしりと両側に立っているので、満開の美しさはたいへんなものでしょう。」と書いていたのですが、2015年に大きく張り出した枝が短く剪定されてしまいました。長持ちさせるためですので仕方ないですね。
桜の時期になると城ヶ谷堤の荒川側に屋台が並びます。駐車場もそちらにあります。
広い公園は自転車OK
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標柱3付近から2付近にはご覧のような木道がかけられています。カメラマンがいっぱい。 |
北本自然観察公園は大きく3つのエリアに分けられるのだそうです。ひとつが、池や湿地帯のエリア、もうひとつが雑木林などの里山エリア、そして草原のエリア。草原のエリアは右上です。園内には四阿が一箇所と、休憩場所(ベンチがあるだけですが)が数箇所あります。お隣には小さい子向けの「北本市子供公園」があり、老若男女誰でも楽しめる公園エリアを形成しています。
ふたつの公園をくまなく散歩・散策 するのは、たいへんです。初めて訪問したときウチの子どもは小学2年だったのですが帰宅して、早々に眠ってしまいました。かなり歩いて、その上子供公園で遊びまくったので疲れきっようです。
疲れたのは子どもだけではありません。それ以上に親たちが相当に参りました。普段の運動不足がたたったかな。それでも、これだけの自然に触れてオゾンをたっぷりと浴びて、本当に気持ちの良い時間を過ごすことができました。言葉にできないくらい満足しています。いつか紅葉の時期を狙って行ってみたいですね。
そういえば、園内を自転車で走っている方を見かけました。まずいんじゃないの? と思って学習センターの人に聞いたら、自転車に限っては許可しているのだそうです。バイクはダメ。でも、自転車などと弱気なことを言わず、歩いてみるべきでしょうね。
決まりごともいろいろあります
こういった趣旨の自然公園なので、禁止事項がいろいろあります。
まず、絶対に自分で飼ったり栽培していた「動植物は持ち込まない。また、持ち帰らないこと」 「動物にエサをあげないこと」 「タバコ等の火気は厳禁」 「ごみは持ち帰ること」。
そして、最後に、こちらの公園は現在でも整備中だそうです。至るところに「私有地なので立ち入り禁止」という立て札が立っています。そういった「私有地」も含めて、歩道と草原以外のところには立ち入ってはいけないそうです。動植物を守り、生態系を守るためとのこと。ぼくみたいな山育ちには窮屈な話ですが、そういうモノなので、遵守しましょうね。