びん沼自然公園(富士見市)

最終更新日 2017.8.13 撮影日 2017.8.13

こんな施設があるよ

遊水池公園

びん沼自然公園
園内の遊歩道はやく1.8km。ジョギングするもよし、散歩するもよし。樹木が低いですね。

「びん沼自然公園」は、荒川の支流であるびん沼川の蛇行を利用して2002年(平成14年)4月に開設されました。総敷地面積は約5.7haですが、半分近くが葦の茂る湿地で、足を踏み入れることができる公園部分は3.7haくらいです。

びん沼川は元々は荒川の本流でした。しかし、ちょっとした雨で水害が起きてしまうため、1925年(大正14年)から改修工事が行われ、現在の荒川が作られました。

その結果、びん沼川は堰き止められて蛇行する川の形のまま遊水池となります。堰き止められた瓶(ビン)のような沼ということで、「瓶沼(びんぬま)」と呼ばれるようになったとのこと。

今でも、大雨が降ると新河岸川等から放水が行われ、「びん沼自然公園」の半分近くを占める湿地帯に水が満ち、場合によっては公園北側の芝生広場がある高台近くにまで水位があがることがあります。しかし、そんな状態は滅多にありません。

園内は、1周1.8kmの遊歩道、見晴らしデッキ(展望台)、低めの木製デッキ(2ヶ所)、傾斜のある芝生広場と植樹された雑木林があるだけで、子どもが遊べるような施設は何にもありません。

ひたすら自然を楽しんで過ごす、そんな贅沢な時間を楽しむことができる公園です。

1日2000人以上の釣りのメッカ

びん沼自然公園
釣り師のメッカ、びん沼川。埼玉では一番と書いているサイトもありました。マナーを守りましょう。ゴミは持ち帰りですよ。

2009年に訪問したとき、まず驚いたのが路上駐車されたクルマの多さでしたが、8年ぶりに訪れた今回もそれは変わりません。しかし、さすがに公園の駐車場に停める不届きな釣り師はいなくなったようです。

たぶん、埼玉で一番人出の多い釣り場です。全国的にもすごく有名なんだそうです。ヘラブナでは日本一の釣り場だそうで遠く関西からいらっしゃる方もいるんだとか。

「埼玉南部漁業協同組合」がこちらを管理していて、遊漁券は1日が400円、年間パスだと3000円。週日でも2000人以上の釣り人が訪れ、週末になると軽く3000人を超える釣り客で賑わうのだそうです。ただし、ただ7080歳以上と障害者と中学生以下には無料の券をくれるとのこと。

どこで払うのかと思ったら、係の方が毎日監視のための見回りをしてその場で徴収しているようです。

魚たちは自然のものではなくて四国で養殖しているのだそうです。稚魚は暑さに弱いので、毎年11月から12月に、ヘラブナ、マブナ、コイ、ウナギ、ナマズ、ドジョウ、ハヤ、タナゴなど、全部で6トンも四国から運んで放流しているのだそうです。そりゃお金もかかる。

でも、一日平均2300人として365日ひとり400円ならば、軽く3億円を超える収益が上がっているはず。路上駐車で近隣住民とトラブルが絶えないそうですが、何か対策をすべきなんじゃないでしょうかねぇ。

子どもたちの遊び場

びん沼自然公園
見晴らしデッキは結構高い。それでも、思ったより眺望が開けません。目の前に広がる葦原を散歩・散策 できる木道があれば良かった。

子どもたちの遊び場はまったくありません。2017年に再訪して確認しました。

「カブトムシの森」と名付けられた雑木林や園内の遊歩道で散歩をするとか、公園北側の高台にある芝生広場で遊ぶとか、それくらいしかないでしょう。

もちろん、子どもたちのあそび場がメインの公園ではないので当然なのですが、人工的な公園に慣れた方は物足りないと思うかも知れません。

しかし、これこそ公園本来の姿という気がします。「びん沼自然公園」に訪れた子どもたちは、遊具がないので、遊具に遊ばされません。子どもたちは自分で主体的な遊びを考えなくてはなりません。親たちは、子どもたちと汗を流さなくてはなりません。

昭和の時代にはたくさんあった「路地裏の空き地」という感覚ですね。芝生広場で子どもたちと何をして遊びましょうか? 雑木林に分け入った子どもが何かを発見するかも知れません。遊歩道を散歩しながら、どんな会話をするのでしょうか。広場を駆け回る子どもたち、子どもたちを追いかける大人たち。どんな遊びをやろうか、大人と子どもが話し合う光景がたくさん見られました。

道路を挟んで向かいに直売所があるんですが、今回は盆休みで確認できませんでした。

散歩・散策 スポット

びん沼自然公園
木漏れ日溢れる雑木林。栗の木があるかと探してみたのですが、ありませんでした。
規則正しく並んでいるのがわかりますよね。

子どもを連れていない大人たちは、ゆっくりと散歩・散策 を楽しみましょう。

園内には、「カブトムシの森」と名付けられた雑木林が2ヶ所と、「メジロの森」と名付けられた雑木林が1ヶ所あります。開設から1017年で15年。かなり樹木の背が高くなっていて鬱蒼とした感じが増してとても良い森に成長していました。

開設当時、コナラ、クヌギ、ケヤキ、ハンノキなど5,000本近い樹木が植えられたそうで、雑木林に入ると、規則正しく並んでいるのを確認することができます。展望台である見晴らしデッキに登れば、葦の茂る湿地帯を一望することもできます。

湿地帯に少しでも良いから木道が通されていたら良かったとか、芝生広場の高台はもうちょっと高さが欲しかったとかいろいろと考えてしまいましたが、これから更に時を経て更に樹木が大きくなったときに、「びん沼自然公園」の本当の姿が見えてくるのでしょう。

子どもたちの遊具を作って欲しいとか、あの施設が欲しいこの施設が欲しいという声があるかも知れません。でも、安易に増設して欲しくないですね。この公園に関しては、行政にはそういう声にあまり耳を傾けて欲しくないですね。

一度葦がが枯れているであろう冬場に訪問して見晴らしデッキからの眺望を確認してみたいです。いつも夏場なので一度も”展望”したことがないので。

びん沼自然公園 園内地図

びん沼自然公園 園内案内図
びん沼自然公園 園内地図。

アクセスその他

バス
鶴瀬駅東口から老人センター行きの循環バス乗車約20分、「びん沼」停留所下車。
駐車場
2ヶ所 合計60台くらい。
周辺
北側のお隣、老人福祉センターとゲートボール場
西側のお隣、富士見市内産米と埼玉県産の大豆100%で、防腐剤などを一切使用しない「手づくりみそ」の加工場
位置
下のGoogleMapでは公園の名前が掲載されていません。地図の中央、蛇行する線がふくらんだあたりがびん沼自然公園です。

こんな記事も読まれています